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『ライブ≠コンサート』

「BUMPのコンサートに行きたい」
妻の希望を叶えるべくチケットを手に入れ、幕張メッセでのコンサートを観に行った。

「スタンディング」「ブロック指定」「整理番号」開演の2時間前に開場、
学生時代の野外コンサートの他にはホールのコンサートしか経験のない身として
は聞いたことのないチケット表記に戸惑い緊張しながら出かけた。

2時間前開場で整理券で、ブロック指定でスタンディングというのは、一体何時
頃行くべきか?
荷物は持たない方がいいというが、雨も降っているけど傘どうするんだろう?
途中でトイレに行きたくなっったらどうすればいいんだろう?

様々な疑問を調べたり、早めに行って様子をうかがったりして対応しながら、い
ざ会場へ。

展示場3つ使ってブロックを区切られた平場の会場は、さながら後楽園ホールの
ような雰囲気がした。
そこは、コンサートを観るというより、ライブに参加するという感じの熱気が溢
れていた。
そうか、「コンサート」と呼ばずに最近は「ライブ」と呼ぶのは、こういう一体
感、参加型のイベントだからだな、と納得。

そして、そのライブ。
周囲を見る限り最年長と思しき我々であったが、周囲の雰囲気に同化し、存分に
楽しみつつ発見したこと。

・聴衆のマナーがいい。
アーティストも盛んに気遣っていたが、盛り上がりながらも他人に迷惑をかけな
いように場を乱さないように整然と参加している様子が、イマドキの若者らしい
感じがした。

・意外とセキュリティーチェックが軽いと思った。そもそも荷物を持たずに入場するせいか。

・腕を上げて振りたくなるわけだ。
入り口で発光体の入ったリストバンドを配られ、それを右腕にはめていると演出
コントロールで光る。参加意識も上がるし、腕を上げて振りたくなる。
よく見るライブの光景はこうしてできるのだな。
それに手拍子ではなく、腕振りでリズムをとる方が邪魔にならない。


・ステージ上の画面が有効。
アーティストの生の姿は遠くてほとんど見えない。だから画面を見る。そして時
々映す客席の様子がまた一体感を創り出す。

・観客への感謝と今日の喜びを語るMCがうまい。
高いチケットを買った甲斐を感じ、これからも応援したくなる。

・自分がデザインしたと言って奨めるグッズ。
始まる前から会場周辺はこのTシャツを着た人で溢れていた。デザインや色にも
凝って、普段も使えそうな実用性あるグッズは売れるだろうな。混んでなければ
買いたかった。

・最後5分間の撮影許可タイム。
拡散のための仕掛けなのだろうが、自分の思い出としてもうれしい。入り口前に
置かれたツアー用のトラックもまたインスタ映えする感じだった。



こうして、始まる前から終わった後まで、よく考えてつくられたライブの空間を
楽しむというのは、アーティストの感性を味わいに歌を聴きに行く「コンサート」
とは違う、エンターテイメント作品に参加する「ライブ」なのだと実感した。

当然のように帰りのクルマの中ではBUMPをずっと聴きながら帰った。
そしてまた行きたくなった。ライブへ。

(ike)