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リーズナブルなスーツ

日曜日、久しぶりにコストコに行った。
相変わらずの混雑ぶり、駐車場に入るにも苦労した。
とにかくここは係りの人がいない。
だから駐車場でも当然誘導はなく、
前のクルマにつられて満車の平場に入ったら、
出るに出られなくて往生した。

いつもながらの大きなカートを押して店内に入り、
秩序なきカート運転を避けつ避けられつつ店内回遊。
毎回感心するが、
この混雑この大きなカートでよく事故が起きないなと思うが、
たぶんこの大きさと混雑がスピードを抑制するため、
秩序なき自制が働くのだと思う。

しばらく店内を回って、レジに向かう道すがら、
生活雑貨と菓子類の間のアイランド売り場で目にしたのは、
男性用スーツ!
しかも英国製50,000円強。
こんなところで、50,000円以上するスーツって何だ?
ちょっと目を疑った。
しかし、お客さんはいる。
そもそも、この店に売れないものなど置かないはずだから、
売れるんだろう。

誰が、どんなモチベーションで買うんだろうか?

スーツにこだわらない人?
それでも安いスーツ専門店などでも良いだろうに。
ここでの5万円ならホントは10万円かも知れないとお得感を感じた人。
そんな考えするなら、スーツはどうでもいい人ではない。

ん~。

それでもとにかく、
スーツはスーツを買いに行く目的でかうもので、
ついでに買うようなものではないはずだと、もやもやした。
ここで50,000円のスーツ買おうと言う人の気持ちがイメージできない。

別の日、電車で見た三越の広告。
「スーツ2着セット29,800円」

三越で29,800円とコストコで50,000円のスーツ、
どっちが高級感があるんだろうか?
どっちが買う時気持ち良いんだろうか?
どっちが長持ちするんだろうか?
どっちがいい素材なんだろうか?

そんなふうに比較しながら、
コストコで50,000円のスーツを買う人の気持ちを再び考えた。

ショッピングを楽しみたいわけではなく、
どんなもので良いわけでもなく、
高いものがほしいわけでもない。

自分の概念では、
ショッピングの楽しさ、
いいものを手に入れる満足感、
それを身につける喜び、
そういう中で理想から少しずつ妥協していくのが、
買い回り品の買い物の仕方ではないかと思っていた。

コストコの50,000円スーツは、
そういう理想を削っていくような買い物ではなく、
求めるものがあるわけではないが、「これではない」と排除しながら、
何となくの必要な要素だけをつなぎ合わせて、
「これでよし」とアジャストさせた買い物なのかも知れない。

リーズナブルってそういうことか?

そうだとすると、
選んだ理由よりも他を選ばなかった理由が大事になってくるのだろう。

(いけ)