文部科学省からの委託を受けて、
「夜間中学設置に係るニーズ調査ガイドラインの作成」の調査研究を行った。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/02/1405716_2.pdf
マーケティングリサーチをやっていると、仕事を通じて初めて知るサービスや商品に出会うことがあるが、
この「夜間中学」もその1つだ。
義務教育である中学までの教育課程を何らかの事情で受けられなかった人のための中学校で、
最初は戦後の混乱期に学校に通えなかった人たちが生徒であったが、
外国から日本に移り住んでいるが中学までの教育を本国または日本でも受けていない方に広がり、
今は不登校などの理由できちんと就学できなかった方も対象にしている。
多くは普通の公立中学校の昼間部が終わった夜間に教室を利用して授業を進めている。
全国で現在31校あるが、未設置の道県も多く、今後最低各都道府県に一校は夜間中学を設置するという方針が示され、そのための推進活動が進められている。
今回の案件もその一環での調査研究である。
平成29年度予算「中学校夜間学級の設置促進等推進事業」(調査研究)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/yakan/1405707.htm
普段行っているような調査の実施と結果の分析ではなく、
調査のためのガイドラインをつくるという作業は新たなチャレンジであった。
普段当たり前のように行っている調査設計を考えるプロセスを改めて見直し、
このガイドを見ながら調査を知らない担当の方が調査を実施できるよう、
微に入り細に入り言葉を選びながら起こしていくという作業は新鮮なものであると同時に、
課題を整理する、共通項を探す、相違点を確認する、ストーリーを組み立てるというリサーチの仕事そのもののようでもあった。
夜間中学設置に係るニーズ調査ガイドライン (PDF:2537KB) PDF
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/07/02/1405716_2.pdf
リサーチャーの力の生かし方は幅が広い。データを集めたり、読んだり、分析をするだけでなく、仮説構築力、課題設定力、情報整理力を生かしてこういう研究委託にも応えられるということを改めて自覚した。
(いけ)