当社のパートナー企業から最近次のような質問をいただきました。
「クライアントから、定性調査の対象者をリクルートするのに、量的パネルの登録者からリクルートするよりも、機縁法でリクルートした方がよりよい対象者を集められるというが、本当か? その根拠は? と質問されているが、どう説明したらよいのでしょう。これまでの経験や実績からは、機縁リクルートの方が対象者の質がいいと思っています。」
機縁法の良さを一口で説明するのは難しいですね。
トークアイは次のように考えています。
量的パネルのリクルートと、機縁のリクルートの一番の違いは、対象者とリクルート会社との間に常に電話等によるアナログなコミュニケーションが存在することだと思います。
量的パネルのリクルートは文書化されたスクリーナによる選抜が基本ですが、機縁のリクルートは電話での対話による対象者条件の確認が基本です。トークアイでは電話で直接本人に確認することをリクルータに義務つけており、更に最終確認は社内スタッフが直接電話で行います。
量的パネルのスクリーニングは一方通行で応募者からどんどん振り落としていきます(途中で誤った回答をした人はたとえ勘違いや記憶違いをしていても復活できません)。これに対し、機縁のリクルートは、調査目的を考慮して大事な条件から確認をしていきます。つまり、優先度の高い条件から聞き取りを行い、優先度の低い条件は最後に確認します。
対象者のイメージから入り、重ね聞きなどで、普段あまり考えていないような質問内容についても記憶を呼び起こすことが可能です。最終的にはすべての条件を満たすことはもちろんですが、より丁寧なリクルートが可能です。また、条件緩和の場合にも柔軟に対応することができます。
前述の通り、トークアイでは最終的に確認電話で担当者が責任をもって条件を確認しています。最終確認はスクリーニング条件に合っているかどうかはもちろん、電話での話し方や質問に対する反応、具体的な回答の中身など、本当に調査目的に合っている対象者なのか、インタビューでちゃんと話せる方なのかを可能な限り見極めるようにしています。
まとめますと、量的パネルとトークアイの機縁法(34年やっております)では、スクリーニング・条件確認にかけている手間暇(時間、コスト)が全く異なるということではないかと思います。