今回お話をお伺いする方は、東京の大企業で働いていたご夫婦が、先が見えてしまう代わり映えのしない生活への疑問から縁もゆかりもない島根県隠岐諸島の海士町に移住。移住に至るフットワークの軽さ、そこで自分たちが働く場を作っていく創造力。
ありたい姿として語られるQOLやWell-Beingの実践・実現の1つのモデルとなるような、行動力、価値観は、これからの生活者の姿を示しているようにも思います。
この方のお話を聞いて、QOLやWell-Beingの姿を考えてみたいと思います。
対象者情報
- 女性 (39歳)
- 東京生まれ。大学・大学院で教育や学習について学んだのち、NPO法人で子ども向けのワークショップの実践、大学で社会人向け講座の事務局など、大人と子どもの学びの場づくりに関わる。
- 2017年に保育園を運営する株式会社にて、園のサポートや保育士の研修事業に関わる。
- 2020年島根県隠岐諸島にある海士町へ移住
- 現在は、子育てをしながら、島の医療・介護人材の確保の仕事の傍ら、今年7月に友人と島で唯一のお惣菜屋さん「うちのごはん」(週2日)をオープン。畑で野菜を育てるのが趣味。
Well-Beingの実践に学ぶ
- 安定した生活から大きく生活環境を変える行動につながるトリガーを捉える
- 行動を実践することに繋がる情報の捉え方や価値観を探る
- 島での生活の中での試行錯誤やそこからビジネスを生み出す経緯を知る
- Well-Beingとは何か、実現するために必要なことは何かを考える
Wellーbeingとは・・・納得して過ごせていること「自分の仕事が誰のためになっているのかがわかることがやりがい」
移住のきっかけ:そこに夫の仕事があったから
- 転職を考えていた夫の発案
- 共働きでそれなりに豊かな暮らしをしていた
- 自分は教育関係の仕事にやりがいも感じ、満足していた
- 転職しても3年後のがイメージできてつまらないと感じていた
- 夫がたまたま仕事で行ったことのある島根県の海士町におもしろい仕事があって誘われた
- 「やってみたい」と思った夫についていくことにした
移住の葛藤?:2-3年だけのつもりの気楽さ
- 自分の仕事を辞めたくはない
- 近所に住む親は寂しいと言った
- 島根は行ったこともなかった
- チャレンジするのはおもしろそう
- 2ー3年島で暮らすのもキャッチーでいい。TV番組で取材されたらおもしろい
- 会社も戻って来ていいと言っている
- 仕事にも復帰できると言ってくれてる
- 永住するわけでなし、帰ってくる場所もあるんだから今の生活を一回手放してみよう、3年くらいで帰ってくればいい、と気軽な気持ち
- 1度も現地を訪れないまま移住
住んでみて:仕事と生活が分断されていない
- 東京では妊活しても授からなかった子供を半年で授かった
- 生活は100点に近い。近所付き合いで心温まるやり取りがある、おいしい野菜も魚もある、お金遣わなくても遊ぶところはある
- 職住近接で家族が一緒にいられる
- もの足りないのは仕事のおもしろさ。東京でやってきたことを生かせてはいない(今年総菜屋を開いた)
- 田舎暮らしは意外と忙しい。仕事の他、イベントや農作業など。ご飯作るの嫌だなと思うことがある。そんなニーズに応えて繁盛している
- 商売だけど福祉的な感じ
移住してわかったこと:利他的に暮らすことを実践
東京は仕事をする場所ではあるが、生活する場所ではないと感じた
- 通勤が楽ってことの価値を実感
- 住みやすさは働きやすさだ
- 人を信頼できるとコストが掛からない
- コンビニもないし、衝動買い的にお金を遣うことはなくなった
- 島のため、町のためを思って暮らすという価値観が共通している心地よさ
- 「ないものはない」という町のメッセージと「滞在人口」を増やすという指標に共感
- 競争ではなく、共存していくという考え方が浸透している
この先
- 子どもが小中高と同じメンバーで過ごすことが良いのかな?
- 仕事のおもしろさを感じ続けられるか?
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