機縁法とは Q&A

機縁法Q&A

Q1 機縁法とは何ですか?

A1 市場調査を実施する際に、調査対象者を集める方法の一つです。

解説:機縁法とは、マーケティング調査や社会調査で使われる調査対象者集めの方法の一つです。英語ではsnowball sampling, chain sampling, chain-referral sampling, referral samplingなどと呼ばれます。人を起点として「こういう人を探しています。もしも友人やお知り合いにいらっしゃいましたら、ご紹介ください」と、人的ネットワークを通じて条件に当てはまる人を人づてに探していく方法です。起点になる人をリクルーターと呼びます。

Q2 機縁法の特徴は?

A2 機縁法の一番の特徴は、調査会社と対象者との間に一定の信頼関係が存在することです。

解説:上記の特徴があるので、責任感のある対象者をリクルートすることができます。リクルーターを介して、対象者と調査会社の間の信頼関係があるので、インタビューでは高い出席率=低いキャンセル率、事前課題に対する協力率が高い、訪問調査などのパーソナルな空間へのアクセスを含む調査への協力率が高い、ホームユーステストの回収率が高いなどの特徴があります。

Q3 機縁法は、どんなときに使われるものですか?

A3 インタビュー調査(グループインタビュー、デプスインタビュー)や買い物同行(ショップアロング)調査、家庭訪問(ホームビジット)調査など、質的調査と呼ばれる市場調査で使われます。 

解説:機縁法を理解するには、定量調査の逆を考えるとわかりやすいです。

市場調査には大きくわけて統計的処理を前提とした定量調査とインタビュー調査に代表される定性調査の二種類があります。

定量調査では、自分が知りたいタイプの人たちが一つの集団を作っていると仮定します。この集団を母集団と呼びます。そして、この母集団の特徴を反映したサンプル(標本)集団を作り、その集団にあれこれ質問(アンケート)を投げかけて、何人がどんな回答をしたのかを見ます。

こうした定量調査は現代ではオンラインパネルで回答者を募集することが大半です。オンラインパネルとは、多くの場合、インターネット上のサイトでアンケート等に回答することで、ポイントを得られることをうたって、協力者を募集し、同意した人が個人の情報(年齢、性別、家族構成等)をネット調査会社等のサイトに登録することで構成された名簿です。ネット調査会社は、調査の種類に応じて、登録された個人の情報から選抜したメールアドレスにアンケート情報を配信し、受信した人の中から一定の条件を満たした人だけがアンケートに回答することができます。アンケートに回答すると一定のポイントが付与されます。ポイントがある程度貯まると、金券、商品などに換えることができます。

その一方で、例えば「毎週スターバックスに行く習慣がある東京都在住の、年齢が30-40歳で、大学を出ていて、中央区で勤務していて、健康に気を使っている既婚の日本人の成人男性」というように細かい条件を数多く付けると、ネットパネルでは当てはまる人が現れないことがあります。名簿の中に条件に当てはまる人がいない場合は、何回アンケートを配信しても、同じ結果になります。更にオンラインパネルの定性調査の場合は、インタビュー日時が指定されている場合も多く、これも当てはまりにくい条件の1つになります。

そこで登場するのが機縁法です。機縁法は上記のような細かい条件に当てはまる人物を人づてに(人的ネットワークで)探すことで、当てはまる方を見つけ出す手法です。

Q4 機縁法のリクルートはオンラインパネルに比べて時間がかかるのでは?

A4 そんなことはありません。

解説:オンラインパネルでは、アンケート画面作成から配信までに約1週間はかかります。機縁はリクルート条件が決定してからすぐにリクルートを開始できます。但し、人的ネットワークを介する分、結果が出るまでに時間がかかります。(難易度にもよりますが、最低2週間はみてください)

Q5 オンラインパネルで見つけられないような対象者が、どうして機縁法だと見つかるのですか?

A5 こちらから対象者を探しに行く方法だからです。

解説:オンラインパネルの登録者がたとえ何百万人もいても、だれもアンケートに応募してこなければそれでおわりです。逆に、機縁法ではこちらから対象者を探しに行きますので、自発的に手を挙げない人、オンラインパネルに登録していない人にもアプローチすることが可能です。

Q6 機縁法はオンラインパネル調査よりもコストが高いのではないですか?

A6 ケース次第では機縁法の方が安くなることもあります。

解説:リクルートする人数にもよりますが、オンラインでも画面作成費、配信費用(必要な人数に回答率等を掛けて決定)がかかります。機縁法は固定費+人数分のリクルート費(難易度によって変動します)ですので、機縁法の方が結果として安くなる場合もあります。

Q7 若年層(10代、20代)、親子(母親と子供)、社会的マイノリティー(高齢独身者など)はリクルートできるの?

A7 むしろ得意です。

解説:近年、オンラインパネルでは若年層の登録が少なくなっていると言われています。また、社会的なマイノリティー層はそもそもオンラインに登録していないと想定されます。機縁法ではこちらから人的繋がりでアプローチしますので、オンラインパネルには登録していないような属性の方もリクルート可能です。

Q8 機縁法の方が調査目的に合った対象者がリクルートできると言われるのはなぜ?

A8 対象者と密接なやり取りをするからです。

解説:調査によってリクルート条件があることは、どんなリクルート方法でも同じです。この条件に合っているかどうかの確認は機縁法でもモニターでも同様です。機縁法の場合は、対象者と事前に電話等で直接お話することで、単にYes/Noだけでなく、具体的な行動や意識を自分の言葉で語ってもらうことで、本当に対象者として相応しい方なのか確認します。

Q9 機縁法では言葉にしにくい条件のターゲット、例えば「高感度な人」「おしゃれな人」をリクルート出来ますか?

A9 むしろ得意です。

解説:アンケート調査でも「高感度」かどうかを判定する質問を設定することは可能ですが、想定した回答に当てはまった人がほんとうに「高感度」なのかをアンケート調査で判定することは困難です。機縁法であれば、一般的に高感度であることを周囲に認められている人を探すことができます。言葉にしにくい条件も、このようにして人を介することで、リクルート条件とすることが可能なのが機縁法の強みです。

トークアイの機縁法リクルートを利用されたお客様の声

  • 「ポイント目当て、謝礼欲しさだけではない、協力的な対象者の話を聴くことができて有意義だった」
  • 「自分の意見が言えない、話が続かない対象者が多くがっかりすることが多かったが、機縁法でリクルートされた対象者は積極的に話をしてくれる人が多く、納得できる内容が多かった」
  • 「いままで機縁法というリクルート方法があることを知らなかったが、他部署の人に勧められて半信半疑で頼んでみた。結果として多くの気付きを得ることができて、たいへん満足」